人生の岐路に、高校の親友「ほんまに取材対象、僕でええんですか? たいしたこと何にもしてないんですけど(笑)」そんな第一声から始まった。永吉智宏(ながよしともひろ)さんは、友達や仲間から「えいちゃん」と親しみをこめて呼ばれる43歳。7年前に新規就農し、青ネギ、ブロッコリー、コマツナなどを生産する専業農家である。 堺市出身の永吉さんには、小さい頃、近所の田んぼでよく遊んでいた記憶があるが、実家は非農家。前職は、トラックやトレー
ラーのドライバーをしていた。そんな永吉さんを専業農家の道へ導いたのは高校時代の親友、藤岡慎吾さんだった。「彼が大学院を卒業した後、専業農家になったんです。なんで農家になったんやろ? 専業農家で食べていけるのかな? と、不思議に思いました。彼のところに遊びに行って、ほんの少しだけ農業を手伝ってみたんです。そしたらね、結構、面白かったんですよ」という流れで、農業と出合う。堺で、米農家へ弟子入り結婚後しばらくは松原市に住んでいたが「いわゆる性格の不一致等」で人生の岐路に立つ。堺市に戻り、同時に転職を決意。藤岡さんの紹介があり、堺市金岡...