大阪と奈良の府県境に位置する柏原(かしわら)市。市域の3分の2は山並みで町の中央には大阪平野を潤す大和川が流れる風光明媚な土地だ。シルクロードの終点、奈良への玄関口として古くから栄えたことから寺院も数多い。現代ではJRが1路線、近鉄が2路線、国道や西名阪自動車道と交通網はさらに発達し、大阪市内、奈良市内から約30分でアクセスできる。ぶどうとワインが美味い街柏原市に入るとまず目につくのが、山麓一面に光る「大阪型」と呼ばれる波
状型のぶどうハウスだ。明らかに他県のぶどう産地では見かけない風景。主要な幹線沿いのいたるところには生産者のぶどう直売所があり、その数20軒以上。ぶどう直売所密集地帯である。 デラウェアやシャインマスカットなど各種生食ぶどうに合わせて、柏原の地ワインが同時に販売されているのも特徴だ。現在、柏原市内にはワイナリーが3軒あって、市民のワイン消費量も多いと聞く。昔は各家庭で自家製ワインが普通に作られていたというから、ここ柏原が「ぶどうLOVEの街」だということを思い知った。創業明治三十六年、葡萄一筋JR関西本線「河内堅...