原風景が残る、富田林の田んぼ富田林市嬉(うれし)地区、地名に嬉とつくから「嬉(うれし)さん」と名づけられた米は、特定非営利活動法人 富田林自然農法「根っ子の会」が育てている。会は、今から20年以上前、志を同じくする3人の主婦によって作られた。3人に共通していたのは、「自分も家族も、健康になりたい」という思いだった。 無肥料、無農薬、自家採種で米づくり「嬉さん」は、無肥料、無農薬、無消毒、自家採種の自然農法によって作られる
米だ。田んぼの後ろにそびえているのは、標高296メートルの富田林で一番高い山、金胎寺山(こんたいじさん)。田んぼには、その金胎寺山からの水と石川上流の水を引く。おいしくないわけがない。取材に伺った日はちょうど田植えの真っ最中、点在するどの田んぼにも多くの人が集まっていた。 田んぼに集う老若男女、共感の輪田植えをしているメンバーは実に多彩。向こうの田んぼでは、スーパーの食農講座の参加者が、こっちの田んぼでは家族連れ、サラリーマンが、まさしく老若男女が勢ぞろいしていた。その中に交じって、率先して農作業に精を出している少年た...