大阪最南端の市、阪南市の鳥取。大阪で鳥取?と思う人もいるだろうが、阪南市一帯は古くは和泉国日根郡鳥取郷といわれ、平安中期の辞書「倭名類聚抄(わみょうるいじゅしょう)」には「鳥取」の地名がここ和泉国をはじめ河内国、越中国、丹後国、因幡国、備前国、肥後国にも記されている由緒ある地名だ。南海本線「尾崎」駅から徒歩15分の鳥取中に、農業界の闘う男として知られた草竹農園の草竹茂樹さん(44)を訪れた。ユニークな経歴茂樹さんの
お父さんは全国に知られる大阪の名品、泉州水なすのベテラン生産者である。地元の鳥取中学校を卒業した茂樹さんは、弘法大師・空海が開いた高野山の私立高野山高等学校に進学した。お寺の息子ではないが、小さい頃からヤンチャな性格でご両親を悩ませた茂樹さんは、おそらく修行に出されたのだろう。無事に高校を卒業して高野山を下山した茂樹さんは、山よりも海が好きと岬町にある大阪府水産試験場でアルバイトをはじめたが、ほどなく産業資材メーカーの営業職になった。次は大阪府議会議員の議員秘書、その次は関西国際空港内のエンジニア会社を経て、大阪市浪速区大国町の...