なにわの伝統野菜紹介 ~難波葱~
大阪府では、概ね100年以上前から府内で栽培されてきた等の基準を満たす野菜を伝統野菜として認証する「なにわの伝統野菜認証制度」を平成17年度からスタートし、現在は18品目が認証されています。
今回は、昨年伝統野菜として認証された、「難波葱(なんばねぎ)」についてご紹介します。
◆難波葱とは?
難波葱は、その名のとおり難波周辺で江戸時代から盛んに栽培されてきたネギです。文献によると、明治時代には現在の南海難波駅周辺でネギ畑が広がっていたとされています。
鴨とネギが入ったうどんを「鴨なんば」と呼ぶのは難波葱に由来したもので、また、難波葱が京都の九条地区に伝わり、改良されて九条葱になった(九条葱の先祖)との言い伝えもあります。
◆難波葱の特徴
葉の繊維が柔らかく、強いぬめりと香り、濃厚な甘みが特徴で、冬場(1~3月)に旬を迎えます。
葉の内側には透明なゼリー状のぬめりが溜まり、葉の切り口からとろりと流れ出すほどになります。
◆なにわの伝統野菜 認証経緯
難波葱は、かねてより伝統野菜認証に向けてその実態の調査が行われ、100年以上前から難波葱が存在していたことを示す文献が発見されていました。しかし、現存する品種が難波葱の子孫であることを裏付ける明確な根拠がなく、これまで認証が見送られてきました。
平成26年度から大阪市の生産者等と大阪府が調査した際に、明治時代の種苗会社の品種カタログが発見されました。カタログには、難波葱について「株立(分けつ)の多きこと本種に及ぶものなし」との説明が記されていました。
これを受け、大阪府立環境農林水産総合研究所において現存品種の試験栽培をした結果、①他の一般的なネギに比べて株立が多いこと、②抽苔(ちゅうだい、「とう立ち」とも言い気温や日長などにより花茎が伸びだすこと)が早く蕾の発生数も多いこと、③葉鞘部(地面付近の皮の部分)が赤色に着色する個体が多いことが分かりました。
以上の文献や試験栽培の結果から、大阪市内で採種されてきた難波葱が認証基準に適合し、他の品種とも区別できる特徴を持っていると判断できたため、難波葱が新たに「なにわの伝統野菜」に追加されました。
【「なにわの伝統野菜」の基準】
① 概ね100年前から大阪府内で栽培されてきた野菜
② 苗、種子等の来歴が明らかで、大阪独自の品目、品種であり、栽培に供する苗、種子等の確保が可能な野菜
③ 府内で生産されている野菜
★難波葱フェスタ開催中!
1月28日(日)まで、飲食店での難波葱を使用したメニューの提供や難波葱の販売等、府内の76団体が参画して難波葱をPRする様々なイベントが各地で開催(府内JA直売所も一部参加※)されています。お近くの参加店舗等へぜひ足をお運びください。
※府内JA直売所のイベント参加店舗
JA大阪南:あすかてくるで 羽曳野店、あすかてくるで 河内長野店
JA大阪中河内:畑のつづき 天美店、畑のつづき 松原店
JA大阪市:おいで~菜 本店、おいで~菜 平野店
1月18日に実施された難波葱フェスタのキックオフセレモニーでは、難波の高島屋大阪店前等で難波葱500袋を配付し、イベントをPR。
飲食店関係者様