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もっと大阪産野菜を! 野菜選びに取り入れたい 「地産地消」というキーワード

「旬の野菜がいいって聞くけど、いったいどれが旬なのかしら」

「この野菜、火を入れたほうがいいの? 生のままの方がおいしいかな?」

普段、野菜売り場にあふれる多種多様な野菜を前に、「旬」や「調理法」を考える機会も多いですよね。そこに1つ加えたいのが、「地産地消」というキーワード。収穫したものをその地元で食べるという考え方です。

都会のイメージがある大阪府ですが、大阪市内から郊外へ向けて、30分ほど車で走れば、田んぼや畑が目に入ります。大阪府内では、実にさまざまな「大阪産野菜」が栽培されています。

そこで、野菜・果物について広く深い知識を持つ、野菜ソムリエ上級プロ・山口晴子さんにインタビュー。産地と食卓が近いことから生まれる「地産地消」のメリットから、「旬野菜の見分け方」「野菜のラクラクレシピ」まで、毎日の野菜選びに役立つお話をたっぷりと教えてもらいました。

 

野菜ソムリエ上級プロ 山口晴子さん プロフィル

全国でも数少ない野菜ソムリエ上級プロ。

日本野菜ソムリエ協会認定野菜ソムリエ上級プロ、宝塚ブランドにかかる懇話会委員、松原ブランド研究会顧問。

「豊かで健康的な食生活」をテーマに、新商品開発、食に関するアドバイス、料理教室・食育セミナー講師、コラム・書籍・雑誌テキストの執筆、メディア協力など、幅広い活動を通して大阪産野菜をはじめ、野菜の啓蒙活動を行っている。

※アンケートは、201712/1319にリビングWebサンケイリビング新聞社)で実施。有効回答数864

 

鮮度がよく地球に優しい 野菜の「地産地消」でみんなが幸せ

―まず、大阪における野菜の地産地消とはどのようなことを言うのでしょうか?

大阪府の自然が育んだ野菜・果物といった農産物を、大阪産野菜と呼びます。

大阪府における野菜の地産地消とは、こういった大阪産野菜や、100年以上前から府内で生産されていた大阪独自の野菜で、そのおいしさが見直されつつある「なにわの伝統野菜」などを、地元大阪で食べることです。

大阪産野菜は、「なにわの伝統野菜」も含めて、百貨店やJAの直売所、最近ではマルシェ、スーパーで、広く扱われ始めています。野菜売り場では、現状はまだ九州をはじめ、他県産が多くを占めている状況ですが、大阪産野菜も少しずつ見かけるようになりましたよね。

他県で取れる主な野菜よりも生産量が少ないため、スーパーでは高めの価格設定がなされ、そのために売れず、残ってしまうこともあります。売れなければ発注数が減り、生産量も減っていくという、負の循環が起こっています。

価格だけを見ると、大阪産野菜は割高感があるかもしれません。しかし、地産地消の最大のメリットは、野菜の産地と消費地が近いことによる鮮度と、それに伴う味の良さにあります。そして旬の野菜は、栄養もたっぷりです。さらに産地から消費地への輸送距離が短いため、それだけ燃料消費が少なく、地球環境への影響も最低限に留めることができます。

 

―栄養がたっぷりで、地球に優しい野菜なら、毎日の食生活に取り入れない手はありませんね。

確かに、大阪産野菜をもっと世の中の人に食べてもらいたいという思いはあります。また、大量消費をするよりも、例えば現在進行形で大阪を訪れている観光客に向けて、「この料理にはこれだけ大阪産野菜を使っていますよ」「大阪には、古くから栽培されている野菜がこれだけあるのですよ」というお話をして、野菜を通して大阪の風土を感じてもらう。そんな地産池消の在り方も、大阪産野菜を知ってもらう一つの方法だと考えます。土地のものを、土地の料理にする。おもてなしにはぴったりだと思いませんか?

 

意外に多い!大阪産野菜「なにわ特産品」は21品目

―では、大阪産野菜には具体的にどのようなものがあるのでしょうか?

大阪産野菜のなかで、最も耳にする機会が多い大阪産野菜は、「泉州水なす」でしょう。皮がやわらかくて、みずみずしい水なすは、切っただけで、生で食べることができます。調理がラクなこと、アクも少ないため、子どもが食べやすく、食卓にのせやすいことが、「泉州水なす」の知名度を上げた要因に数えられます。

─アンケート(※)で、特に知名度の低かった大阪産の農産物が、「大阪もも」「大阪みかん」「大阪みつば」「泉州さといも」でした。これらについて教えていただけますか?

・糖度22.2度 ギネスにも登録された「大阪もも」

岸和田市、河内長野市で栽培されています。なかでも、岸和田市包近(かねちか)町では、土壌や肥料に工夫をこらし、糖度にこだわった作り方をしています。包近町の、ある農家の大阪ももは、糖度22.2度(一般的な桃は10~12度)で、ギネス世界記録に認定されたほど。生産地近隣の直売所では、やわらかく熟れたところで収穫した、大阪ももが並びます。他県からの輸送時間を考えると、大阪ももの新鮮さ、想像できますよね。

 

・コクのある甘さが特徴「大阪みかん」

皮が厚く、コクのある甘さが特徴の大阪みかんは、南河内郡太子町、和泉市、河内長野市、岸和田市、千早赤阪村で主に栽培されています。収穫してしばらく置いておくと、より甘味が強くなります。

 

・意外?全国7位の生産量「大阪みつば」

和泉市、貝塚市、堺市を中心に作られ、全国7位の生産量を誇る特産野菜です。種をまいたスポンジを水中にしずめて育てる水耕栽培で、1年に7~8回収穫することが可能です。

日本の都道府県で2番目に面積が小さい大阪府で、みつばがこれだけ栽培されている理由には、うどんや丼、鍋の薬味に使う食文化が背景にあるという説があります。

 

・丸っこい見た目がキュート「泉州さといも」

丸っこい見た目から、月見芋との別名もある泉州さといも。石川早生という品種がほとんどで、河南町、泉佐野市、泉南市、貝塚市で盛んに栽培されています。実がつまった、ねっとりとした食感が、女性を中心に人気を集めています。

 

 

 

なにわの伝統野菜

―大阪産野菜の中には、18品目の「なにわの伝統野菜」と呼ばれるものもありますね。

京野菜のイメージが強い「金時人参」、愛知県・岐阜県でお土産として販売され、直径2cm・長さ約1.2mにもなる細長さが特徴の「守口大根」は、遡ると、実は大阪発祥の野菜です。栽培方法の難しさから大阪府では栽培をやめてしまった野菜を、他県の農家が植え続け、その結果、生き残っているのです。

 

大阪府どころか、全国規模で栽培が途絶えてしまった野菜もあります。この数年は、食への意識が高まったことで、こういった伝統野菜が見直されるようになりました。その動きを受けて、農家などで保存されていた種子で再び栽培されるようになった野菜もあります。

 

また、江戸時代から今の大阪市難波周辺で栽培されていた「難波葱」は京都の九条ネギの原種ともいわれています。難波葱はぬめり、甘味がともに強いのが特徴。大阪市内と南大阪エリアを結ぶ南海電気鉄道難波駅の裏手には、かつて難波葱を栽培する畑が広がっていたと言われています。

大阪府では、このような伝統ある野菜を、100年以上前から大阪府内で栽培され、苗や種子の来歴が明らかで、大阪独自の品種であることを基準に、「なにわの伝統野菜」として認証し、復活に取り組んでいます。現在、認証されている野菜は18品目を数えます。

 

知ってる? 1日に必要な野菜摂取量:350グラムが目安に

―大阪産野菜が実にバラエティーに富んでいることがわかりました。

ところで、私たちは1日にどれぐらいの野菜を食べるのがよいのでしょう?

 

元気な人が健康をキープしていくのに必要な野菜の量は、1日350gです。厚生労働省が勧める理想の内訳は、緑黄色野菜を120g、淡色野菜を230gです。

 

緑黄色野菜は、主にカロテンを多く含む野菜で、ニンジン、ホウレンソウ、コマツナ、トマトやピーマンなどが代表的な野菜です。

淡色野菜は、簡単に言うと緑黄色野菜以外のもの。「緑黄色野菜より栄養が低い」と、思うかもしれませんが、それは大きな勘違い。淡色野菜のゴボウには、腸内環境を整え、腸内フローラにも影響する食物繊維が多く含まれているのです。玉ネギやキャベツといったそのほかの淡色野菜も、緑黄色野菜に勝る栄養素を含んでいます。

 

一食あたりに取る野菜の量はおよそ120gですが、料理のたびにいちいち量ってはいられませんよね。上手に350gの野菜を取るためには、まず目安の重さを知ることが大切です。

 

重さの目安はジャガイモ1個=卵2個で120グラム トマト1個で200グラムと覚えて

これらを基準に野菜の重さを覚えたら、手に取るだけで毎食に必要な野菜の量がわかるようになります。

 

朝はコーヒーだけという人は、朝食を食べることで野菜を食べる量が増えます。トマトを1つ食べる、夕食のポテトサラダを多めに作っておいて翌朝にまわす。こんなふうに、忙しい朝でも工夫次第で野菜を食べることができます。外食時も、ちょっとしたことで違いが出ます。うどんにネギを足してみる、定食メニューで野菜が足りないなと思ったら、野菜の小鉢をプラスする、といったことを実践してみてください。

レタスなどの葉野菜を生で食べると、見た目のボリュームに反して重さは稼げません。火を入れると、かさばる葉野菜はやわらかく、ボリュームもダウンして、食べやすくなります。加熱調理は、野菜の量を多く取ることができるのでおすすめです。

 

―野菜ジュースで、1日分の野菜を取ることは可能ですか?

「仕事で遅くなった日は夕食作りが面倒」「朝食を食べる時間があるなら、そのぶん眠りたい」。その結果、野菜不足になっている人も多いかもしれません。そんなとき、手軽に飲める野菜ジュースは、栄養分やビタミンC、カロテンを補給してくれます。

その反面、糖質も多く含んでいるため、ふだんから糖分を多めにとっている人は、野菜ジュースを飲む日はおやつを控えるなど、バランスをとるようにしてください。

 

それでも、野菜ジュースを飲むことは、野菜を食べた時と同じ効果にはなりません。数字上はクリアできますが、腸内環境を整える食物繊維がジュースには少なかったり、含まれないものもあるからです。

あごの力も、固形の食材を噛むことで養われます。その点でも、ジュースは野菜と置き換えられるものではないのです。野菜ジュースは、定食の小鉢のように、足りない時に一品足す感覚で飲むようにしてください。

 

明日から実践!旬の野菜の見分け方

―必要な栄養素は、やはり野菜から取るのが基本ということですね。

野菜にはさまざまな栄養が含まれています。そして、その栄養素の量は、季節によって変動します。

先ほど代表的な緑黄色野菜として紹介したホウレンソウは、野菜売り場で年中見られる野菜ですが、旬の時期である冬に収穫したものと、夏に収穫したものとでは、含まれているビタミンCの量が約3倍も違うんです。口にするなら、できるかぎり新鮮で、栄養たっぷりの旬の野菜を食べたいですよね。

 

―旬の野菜の見分け方って難しくありませんか?

スーパーの野菜売り場で旬野菜を見つける方法は、拍子抜けするほど簡単です。店頭で売り場をパッと見て、売り場面積が広い野菜が、その時期に旬を迎えている野菜です。

一方で、冬至のカボチャ、七草がゆで使う春の七草といった年中行事のためにも広い売り場が作られます。こうした「流通上での旬」と混同しないように、覚えておいてくださいね。

 

旬野菜を見分けるポイントを、四季ごとにお伝えします。

 

・春の旬野菜

土から芽を出す山菜系が多く、食べた時に苦味があることも特徴です。

ツクシ、フキノトウ、たらの芽、ウド、アスパラガスなど

 

・夏の旬野菜

なす、トマト、ピーマン、かぼちゃなど

茎からぶらさがって生る、通称ぶらさがり野菜が多いです。

 

・秋の旬野菜

さつまいも、さといも、ながいも、きのこなど

カロリーが高い根菜類が多いです。きのこもこの時期、特に美味しくなります。

 

・冬の旬野菜

ほうれん草、小松菜、ブロッコリー、カリフラワーなど

葉野菜、つぼみ系の野菜が多く、少量でも栄養をたくさん取れることが特徴です。

 

―アンケート(※)で、大阪産野菜のうち、知名度がある「泉州たまねぎ」「しゅんぎく」「大阪なす」「大阪ぶどう」ではどうでしょうか?

 

大阪産野菜を例に、種類別・野菜の目利き方法をお伝えしますね。

 

泉州たまねぎ

皮にツヤがあるものを選んでください。

上部が硬くてしっかりしていることも確認するように。

重さは、手にした時にずっしりとくるものがいいですね。

泉州たまねぎは、やや平べったい形をしているので、頭の部分に水がたまりやすくなっています。

上の部分から傷んでいくので、特に硬さには気をつけるようにしてください。

 

しゅんぎく

関西では「きくな」とも呼ばれていて、関東のものと関西のものとでは、茎の部分に違いがあります。

関東のしゅんぎくは、太い茎があって、茎からしっかりとした葉が伸びています。

対して関西のしゅんぎくは、根のすぐ上から葉が出ています。

関東タイプを選ぶ時は、できるだけ茎が短くて、細いものを選ぶようにしてください。

葉のチェックポイントは、関東・関西共通です。

色が濃くて、みずみずしいものを見つけましょう。

鼻を近づけて、苦いような香りがあると新鮮です。

 

大阪なす

へたの部分にあるとげは、採れたてであるほど鋭く、触ると痛みを感じます。

茎の切り口がキレイで新鮮かどうかも見逃さないようにしてください。

実が全体的に濃い色で、まだらになっていないかもポイントです。

指でつついて、弾力を感じるものが良い大阪なすです。

 

大阪ぶどう

一見して粒と粒との間がスカスカになっているぶどうは、収穫してから時間が経っています。

茎と軸を確認すると、茶色になっているかもしれません。

大阪ぶどうを選ぶ時は、皮にはりがあって、白い粉っぽいものが付着しているもの、粒が隙間なく実っているものを。

デラウェアなら赤紫、巨峰であれば黒紫に、果実全体が色づいている房が新鮮です。

野菜をたっぷり、ラクラクレシピはコレ!

―平成28年の「国民健康・栄養調査」では、都道府県別の野菜摂取量で、大阪府は女性がワースト1、男性もワースト2でした。簡単にたっぷりとれる方法はあるでしょうか?

新鮮な野菜を手に入れたら、次にやることは美味しく料理をすることですね。

一度にたっぷりと野菜を食べられる、野菜ソムリエおすすめのレシピは、お味噌汁やポトフなどの煮込み料理です。

根菜類・葉野菜の別なく、多くの野菜は味噌との相性が抜群。

具沢山で、見た目にも楽しい色とりどりのお味噌汁は、万能の一品です。

家庭のレシピをアレンジしてみてください。

ポトフも簡単で、野菜をたくさん使える煮込み料理です。おしなべて分量は気にしなくてもOK。私がよく作る基本のレシピをお伝えしておきます。

1、 材料を切る。キャベツはひと玉を4分割するくらいの大きさでかまいません。食べ応えがあって楽しめます。人参、じゃがいも、玉ねぎも、大きめに切りましょう。ベーコンブロックやソーセージを入れても美味しいです。

2、 温めた鍋にオリーブオイルを引き、野菜と肉類を炒めます。ある程度火が通ったところで、水を加えて煮込みます。

3、 コンソメを溶かし、香りづけにローリエを加えます。ふたをして、野菜がやわらかくなるまでさらに煮込みます。スープの味を塩と胡椒で調えたら完成です。

すぐに火が通る野菜は3の手順中に加えるなどタイミングを工夫して、いろいろな野菜でポトフをつくってみてくださいね。

 

もっと大阪産野菜を、日々の食卓に

今回、野菜の楽しみ方を教えてくれたのは、野菜ソムリエ上級プロの山口晴子さん。

食への関心を高めた消費者と、直接消費者と接したいと考え始めた生産者とが現れたことで、消費者が野菜をはじめ口にするものへの意識は高まっているそうです。

 

─そもそも野菜に関心を持たれるきっかけは何ですか?

野菜ソムリエを目指したきっかけは、自分で料理をして、自身も家族も健康であり続けたいという思い。

野菜ソムリエから、野菜ソムリエプロ、野菜ソムリエ上級プロと資格を取得するにつれ、地域の産物をPRしている人たちとの縁を得たことから、野菜を介して、生産者と消費者をつなぐ仕事に携わるようになりました。

 

─資格をとってから、大阪産野菜とのかかわりが増えていったのですよね。

八尾での若ごぼうのプロモーションや、生産者との交流・収穫体験・収穫した泉州さといもバスツアーなども。松原市の産物を全国の人に知ってほしいとの思いで活動している松原ブランド研究会や、農薬を減らして栽培を行う大阪エコ農産物のPR活動に携わっています。

 

─最近は生産者の方々も大阪産野菜を盛り上げようと頑張っていると聞きます。

誰が作った野菜なのかがわかる「顔の見える」野菜を食べたいという、消費者の食の安心への意識の高まりと、実際に食べてくれる消費者と交流したいという作り手の思いから、「大阪産野菜」の消費者と作り手をつなぐ、さまざまな地産地消の取り組みが府内各地でなされています。

 

なにわ伝統野菜を育てている南河内郡河南町では、バスツアーが行われました。ツアーでは、収穫したての毛馬胡瓜(けまきゅうり)、勝間南瓜(こつまなんきん)をその場でスライスしてふるまわれます。

ビニルハウスで行う調理法の説明には、参加者全員が熱心に耳を傾けていますよ。

 

小学校などでは食育の一環として、献立のほとんどを地元の野菜でまかなった給食の日があります。農家の人を招いて農作業や食の大切さを話してもらい、実際に食べることで、「口にするものを選択する」力を養います。

収穫地から調理場までの距離が近いため、損なわれる栄養は最小限で抑えられます。

子どもの頃に、手や口を動かして学んだ体験は、いつまでも記憶に残ります。

思い出をつくりながら、栄養価が高く新鮮な野菜を見極める力を身につけられるのですから、一石二鳥と言えるでしょう。

 

私も野菜ソムリエ上級プロとして、もっと大阪産野菜・果物が、日々の食卓に登場するように、野菜自体はもちろん、生産地である市町村の魅力発信にも繋がるよう、これからも力を尽くしていきたいですね。

 

■■■野菜アンケート■■■

2017年12/13~19にリビングWeb(サンケイリビング新聞社)で実施。有効回答数864

大阪産野菜、種類が豊富って知っていた? 人気野菜ランキングも公開!

野菜炒めや野菜スープなど、毎日の食卓に欠かせない野菜。今回は女性を対象に「好きな野菜は?」「野菜の摂取量は足りている?」など、野菜をテーマにしたアンケートを実施。野菜をたくさん食べるために工夫していることや、大阪産の野菜の種類やオススメの調理法について、リサーチしました。

※データ・コメントは201712/1319にリビングWebサンケイリビング新聞社)で実施。有効回答数864

好きな野菜はやっぱりアレ?!ダントツの1位は「トマト」

 野菜は好きですか?

女性が選ぶ「好きな野菜」ランキング

1位 トマト     114票

2位 キャベツ   79票

3位 タマネギ   62票

4位 ブロッコリー43票

5位 レンコン   40票

6位 ダイコン   38票

7位 カボチャ   37票

8位 ハクサイ   35票

9位 ナス       32票

10位 ジャガイモ 29票

9割以上の人が「野菜が好き」と回答。「好きな野菜」は、どの季節でも比較的手に入りやすく、調理しやすい野菜が上位を占める結果に。1位に輝いたのは「トマト」。「みずみずしくて、のどが乾いたときは生でも食べられるし焼いても煮ても甘くておいしいから」(西宮市・26)「和洋中何にでも合うし、クセがない」(明石市・30)「栄養があって簡単に食べられて価格も手ごろ」(伊丹市・32)「お皿が明るくなる」(奈良市・51)と、味・使い勝手・見た目と三拍子揃って高い支持を得ました。

2位のキャベツは「おかずのボリュームを出すのによく使う。主役も脇役もこなせる」(吹田市・34)「どんな野菜とも仲良くできるし単体でもおいしい」(神戸市・69)など、ボリューム感やほかの食材との合わせやすさがポイントに。

3位以下では、「タマネギは生だとアクセントになるし、炒めると甘くなる。料理に欠かせない」(神戸市・49)、「栄養があり食べごたえがあるブロッコリー。お弁当の彩りにも愛用」(京都市・33)、「レンコンのシャキシャキの歯ごたえが好き」(堺市・43)といった声が寄せられました。

 

20代・30代の夫は「外食が多く、好きな物しか食べない」と野菜不足気味。60代になると自宅時間が増え、野菜の摂取量もアップ

1日に必要な野菜の摂取量を知っている?

 

自分の野菜摂取量は足りていると思う?
では、夫の野菜摂取量は足りていると思う?

アンケート全体では、約半数の女性が自分の野菜摂取量について「足りない」「やや足りない」と回答。特に、子育てや仕事で忙しい20代・30代からは「共働きで忙しく時間がない」(大阪市・33)といった嘆きの声が…。

 

また、夫の食事についても、働き盛りの20代・30代で「野菜が足りていない」との回答が多く、「外食が多く、好きなものしか食べない」(大阪狭山市・32)、「野菜の高騰でバリエーション豊かに野菜を出せないし、野菜より肉などを食べたがる」(神戸市・35)、「単身赴任中で食事の管理ができない」(神戸市・38)、「朝は野菜をとらない、昼は会社の食堂なのでわからない」(茨木・39)など、夫の食生活を不安視する声が目立ちます。

 

一方、60代以上になると、「足りていない」の比率は減少。「常に家にいるから」(三田市・70)「私が野菜好きで 同じものを食べている」(豊中市・65)など、リタイア後は食事を家でとる男性が多く、妻が食生活をコントロールできることが大きな理由といえそうです。

 

野菜を食べるために、工夫している4つの方法

●その1 手軽に野菜を食べるため〝常備菜〟をキープ

 

・「酢玉ねぎなどの常備菜を何種類か冷蔵庫に入れている」(明石市・32)

 

・「大根葉のつくだ煮や、野菜の浅漬けなど、手軽に食べられる常備菜を作っている」(枚方市・38)

 

・「いつでも食べられるように、ほうれん草やブロッコリーを冷凍したものを常備」(八尾市・35)

 

 

 

●その2 時間のない朝こそ、意識して野菜を摂取!

 

・「朝は旦那だけでもサラダを出す」(伊丹市・31)

 

・「毎朝野菜百パーセントのジュースを飲む」(枚方市・65)

 

・「時間のない朝もスムージーなどで必ず野菜を食べる」(吹田市・38)

 

 

 

●その3 野菜はスープにイン! 小さくカットして料理に混ぜ込む!

 

・「具沢山スープを毎日作るようにしている。細かくして混ぜたりしている」(神戸市・30)

 

・「毎日の夕食に野菜たっぷりの和風ポタージュを通年で食べる。カレーの具材として小さくカットして入れる」(和歌山・42)

 

・「汁物に野菜をたくさん入れるようにしたり、焼きそばや焼うどんなど、麺類を作る時にも、野菜をたくさん入れたりしている」(茨木・50)

 

・「ハンバーグににんじんを細かく切って入れたり、山芋を〝つなぎ〟として入れたりする」(池田市・44)

 

 

 

●その4 見た目をかわいく、手作りディップなどを添える

 

・「子供には塩ゆでや出汁で茹でた野菜を型抜きして添えて、喜んで食べられるようにしている」(姫路市・33)

 

・「ディップや柚子味噌を手作りして温野菜がモリモリ食べられるようにしている」(京都市・33)

 

野菜選びで20代・30代は「安さ」「保存性」、50代・60代は「鮮度」「国産」を重視

 

野菜を購入するときに、重視していることは?

 

全体で最もポイントが高かったのは「鮮度の良さ」。世代別に特徴を見ると、20代では「見た目や形がきれい」が高ポイントに。SNSに親しみ、料理やテーブルコーディネートで写真映えを意識する世代ならではの思考といえそうです。

 

子育て真っただ中の30代は「価格の安さ」をあげる声が多く、食べ盛りの子供がいることで家計を意識せざるを得ない様子。一方、50代以上では「鮮度」「国産」など、品質面を重視する声が多数。その他では「栄養価の高いもの」「メニューに合わせて」といった意見が寄せられました。

 

地元産野菜は「日頃から購入」「あれば購入する」が6割以上 購入意欲は高め

地元産の野菜は購入している?

地元産野菜を購入している理由は?

地元産野菜を購入しない理由は?

地元産野菜を「購入している」人からは「鮮度がいい」「地元ならではの安心感がある」という理由が上位に。「地元の顔が見える人々が作った野菜には愛着がある。地元応援の意味も込めて地産地消の商品を買い続けたいと思う」(神戸市・55)「家の近所でも畑が多く、作っている方の苦労を知っているので、応援している」(神戸市・56)といったコメントが寄せられました。

一方、「購入しない」と答えた人からは「地元産でなくても価格や品質が同程度の野菜が購入できるから」との理由が上位に。「価格が高いから、少し安くなれば買います」(吹田市・57)など価格の面がネックになっているようです。

 

こんなにある!大阪産の野菜知名度1位は「泉州水なす」

大阪産野菜、知っているものは?

8割以上の人が「知っている」と答えたのが「泉州水なす」。「水なすは、どのスーパーでも売っているわけではなく、また午後には売り切れている事も多く、人気の高さを感じる。毎年楽しみにしているので、収穫量を増やして欲しい」(川西市・51)と、熱烈な〝水なすファン〟の声も!

 

「金時人参」「泉州たまねぎ」は5割が認知「玉造黒門越瓜」「服部越瓜」って知ってる?

続いて「金時人参」「泉州たまねぎ」は約5割の人が「知っている」と回答。その他の野菜は知名度が1割~3割程度にとどまり、「玉造黒門越瓜(たまつくりくろもんしろうり)」「服部越瓜(はっとりしろうり)」などは、ほとんどの人が〝知らない〟という結果に。「大阪は都会なので野菜というイメージがなかった」(大阪市・26)「知らない野菜が多すぎてビックリ」(神戸・55)など、今回のアンケートにより、大阪で野菜を作っていることを初めて知ったという声が目立ちました。

そんな、大阪産野菜について「若ごぼうやずいきなど、他の野菜では代用できない野菜はずっと作り続けて欲しい」(西宮・45)「丹後や丹波など、京都府や兵庫県の産直野菜の出張販売イベントはよく見かけるが、大阪府産の野菜に出合う機会が少ない。デパ地下で大阪野菜の産直イベントを展開してほしい」(芦屋・52)など〝もっと広めてほしい!〟というエールも!

 

大阪産野菜、私のオリジナルレシピはコレ!

アンケートで寄せられた〝大阪産野菜〟のおすすめの食べ方を紹介。

・泉州水なす

「浅漬けにしていただく」(門真市・53)

「一口大に切って、オリーブ油と生ハム、パセリを乗せる。簡単でおいしい」(川西市・51)

「寿司酢、さとうに水少々をさっと煮立たせて、縦に切った水なすにかけて、ローリエ、レモンスライスを入れて瓶で漬け込んでピクルスに」(吹田市・59)

「豚肉とにんにくの芽でいためる。味付けはしょうゆ・さとう・みりん・豆板醤で〝あまピリ系〟に。いくらでも食べられる」(大阪市・40)

 

・泉州玉ねぎ

「ポテトサラダに加えるときも、軽く炒めると甘みがでます」(箕面市・53)

「玉ねぎと卵の炒め物」(尼崎市・56)

「玉ねぎステーキにする」(大阪狭山市・32)

 

・金時人参

「煮炊きに良く合う」(宇治市・54)

「スライスしてディップで素材の甘みが引き立ちます」(川西市・40)

 

・若ごぼう

「うすあげでも厚揚げでも、しょうゆ味で一緒に炊くのが大好き」(大阪市・44)

「じゃがいも、さつま揚げ、こんにゃく等の煮物と一緒に煮る。柔らかくておいしい」(東大阪市・41)

 

・紅ずいき

「豚肉と薄揚げの煮つけ、酢の物に」(加古郡・50)

 

・枝豆

「大阪の枝豆は粒が大きくてコクと甘味があるので、シンプルにゆでていただくのが一番おいしいです」(川西市・40)

 

【まとめ】

野菜をテーマに実施した今回のアンケート。9割以上の女性が野菜を好み、また家族にも意識的に摂取を促していることが明らかになりました。トマトやキャベツ、タマネギなど、日常使いがしやすい野菜が人気で、大多数の人が鮮度の良さにこだわって、野菜をチョイスしています。20代では見た目の美しさ、30代では価格の安さ、50代以降は品質を重視する特徴も見られました。

 

しかし、「野菜が好き」「野菜の摂取は大切」という気持ちに反し、半数の女性が野菜の摂取不足を感じていると回答。働き盛り、子育て世代にその傾向が顕著にみられ、「外食が多い」「単身赴任」など、妻がコントロールをしにくい夫の食生活を不安視する声も目立ちました。摂取不足を補う工夫として、「常備菜をストックする」「ジュースやスムージーにする」「野菜たっぷりのスープを作る」といったアイデアが。ひと手間かけても野菜を食べようとする積極性がうかがえます。

 

また、地元産野菜においても購入意欲は高く、「日ごろから購入」「あれば購入」が6割以上。鮮度や安心感が魅力な反面、価格がネックで敬遠している人も。購入しない人の中には、「買いたくても出合う機会が少ない」という声もあり、生産者側の課題となっています。それでも「ずっと作り続けてほしい」「大阪産野菜の産直イベントをしてほしい」など、地産地消を望む声が多く、地元産野菜の流通に期待が寄せられています。

 

多くの女性が野菜に高い関心をもっていることが分かった今回。「食べなければならない」ではなく、「野菜っておいしい!」というワクワク感をもって、知らない野菜にもトライしてみれば、新しい〝ベジタブル・ライフ〟が開けるかもしれませんね。

 

 

(取材・編集 サンケイリビング新聞社)

 

飲食店関係者様

大阪府内のJA直売所でも扱っております

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