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意外と知らない?大阪で採れる「なにわの伝統野菜」

日本各地には、その土地でしか採れない「伝統野菜」というものがあります。伝統野菜として認定されるための明確な定義は存在しませんが、その土地の風土や気候に合った古くから栽培されている野菜のことを指す言葉です。

大阪にも、各地域で昔から育てられている野菜があります。今回は、「なにわの伝統野菜」と呼ばれる野菜たちをピックアップ。どのような野菜が、なにわの伝統野菜として育てられているのでしょうか。

 

 

■大阪でしか手に入らない「なにわの伝統野菜」って知ってる?

まずは、「なにわの伝統野菜って何?」という基本のところから、おさらいしていきたいと思います。まず、なにわの伝統野菜に認定される基準や、手に入れる方法などについてまとめました。

 

・なにわの伝統野菜として認定される基準

「なにわの伝統野菜」は、大阪の発展を語る上で欠かせない存在であった野菜です。天下の台所と呼ばれていた大阪ですが、このような呼び名に至るには、大阪野菜の存在があってこそ。しかし、戦争が終わるころから農産物は生産性を上げることが重視され、なにわの伝統野菜たちはだんだんと姿を消してしまったのです。

そして今、再び歴史ある野菜たちの良さを見直そうと大阪府が関係機関と協力し、なにわ伝統野菜の発掘に乗り出しました。現在はなにわ伝統野菜として認定するための基準を設け、2020年9月時点で18種類が認められています。

 

<「なにわ伝統野菜」認定の基準>

(1)概ね100年前から大阪府内で栽培されてきた野菜

(2)苗、種子等の来歴が明らかで、大阪独自の品目、品種であり、栽培に供する苗、種子等の確保が可能な野菜

(3) 府内で生産されている野菜

引用:大阪府/なにわの伝統野菜

 

 

・どこで手に入る?

実際に食べてみたいという人も多いことでしょう。とは言え、一般的なスーパーで見かける機会は少なく、なかなか出会えない希少な存在であるのも事実です。

なにわの伝統野菜を手に入れるには、朝市や農産物のイベントなどに足を運んでみるのがおすすめ。また、ごく一部ではありますが大阪府内のスーパーでなにわの伝統野菜コーナーを設けているところがあるので、そのようなお店でもなにわの伝統野菜に出会うことができます。

 

 

■「なにわの伝統野菜」からおすすめの葉物

ここからは、なにわの伝統野菜の種類について解説をしていきます。まずは、葉物からおすすめを2つセレクトしてご紹介しましょう。

・大阪しろな

江戸時代から栽培されている「大阪しろな」は、大阪市天満橋付近で積極的に栽培されていたこともあり「天満菜(てんまな)」という名前でも呼ばれています。“早生種”・“中生種”・“晩生種”と同じ大阪しろなの中でも種類がありますが、どれも軸は平たいのが特徴。

葉っぱには“葉柄”と呼ばれるきれいな白い筋が入っており、1年中収穫できる葉物野菜です。

 

・高山真菜

能登町で江戸時代から栽培されている「高山真菜」は、アブラナ科のつけな類に属する葉物野菜。全長20~30cmほどまで成長し、茎の部分に甘味があるのが特徴です。なばなとしても利用できる野菜で、12~3月にかけて収穫シーズンを迎えます。

 

 

■「なにわの伝統野菜」からおすすめの根菜

次は、なにわの伝統野菜から根菜のおすすめをピックアップしてご紹介します。

・守口大根

大阪市や守口市で栽培されている「守口大根」は、ごぼうのように細くて長い姿が特徴。直径は数センチなのに対し、長さは1mほどに達するものもあります。

12月に収穫期を迎え、かす漬けなどにした食べられる機会の多い野菜です。

 

・高山牛蒡

豊能町高山地区原産の「高山牛蒡」は、江戸時代に発祥したとされる根菜。一般的なごぼうとは違って中が空洞になっているため、つめものなどにして食べる機会の多い野菜です。

12月に収穫期を迎え、香りが良く火を通すとやわらかくなります。

 

・泉州黄玉葱

岸和田市・貝塚市・泉佐野市などの地域で栽培されている「泉州黄玉葱」。「今井早生(いまいわせ)」、「貝塚極早生(かいづかごくわせ)」などの品種があり、明治時代に発祥したとされています。

新玉ねぎのような甘味とみずみずしさが特徴です。

 

 

■「なにわの伝統野菜」からおすすめのその他の野菜

葉物・根菜以外にもいろいろな種類がある、なにわの伝統野菜。平成29年に発見された、新顔のものもあります。

・鳥飼茄子

摂津市鳥飼地区で栽培されている「鳥飼茄子」は、京都の「加茂茄子」のような丸い形をしています。加茂茄子よりもやや下ぶくれで、とても皮がやわらかいのが特徴です。

一般的ななすと同じく、7~9月に収穫期を迎えます。

 

・難波葱

平成29年になにわの伝統野菜に仲間入りした「難波葱」は、江戸時代に大阪市の難波周辺を中心に栽培されていたとされる野菜。一説によると、この難波葱が京都に渡り、現在の九条ねぎになったと言われています。

12~2月の冬の時期に収穫され、強いぬめりと甘味が特徴の野菜です。

 

・毛馬胡瓜

大阪市都島区毛馬町で誕生したとされる「毛馬胡瓜」は、現在で言うところの黒いぼきゅうりの仲間。長さは30cm、太さは3cmほどになり、全体の約3分の2は白や淡い黄色などの色に変色しているのが特徴です。

シャキッと歯切れの良さが特徴で、奈良漬けの材料としても重宝されていました。

 

 

■なにわの伝統野菜の魅力に触れてみよう

なにわの伝統野菜は、大阪に住んでいれば意外と身近なところにある野菜です。野菜の名前と栽培されている場所が一致しているケースがほとんどなので、その土地のことを頭に思い浮かべながら、なにわの伝統野菜に触れてみてください。

 

【参考URL】

なにわの伝統野菜|大阪府

なにわの伝統野菜|道の駅 かなん

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