たまねぎに含まれる栄養とは?簡単おいしい主役レシピも紹介
「たまねぎ」は、炒め物や汁物の具にしたり、煮込み料理の風味付けに加えたりと料理に欠かせない野菜。大阪では名産の「泉州たまねぎ」も有名ですよね。毎日当たり前のように食べているたまねぎですが、どんな栄養が含まれているのか考えたことはありますか?今回は、たまねぎの栄養、歴史や種類、選び方についてご紹介します。たまねぎが主役になるレシピにも挑戦してみてください。
■常備野菜の定番「たまねぎ」とはどんな野菜?
たまねぎはどこで産まれ、どうやって日本へ伝わったのでしょうか。まずは、たまねぎの歴史や種類について解説します。
・たまねぎの来歴
たまねぎの原産地は、中央アジアから地中海の沿岸部地域です。その起源は、古代エジプトやメソポタミア文明が栄えた紀元前の時代にまで遡るといいます。日本へは、江戸時代に南蛮貿易によって観賞用として伝わりましたが、食用として栽培されはじめたのは明治時代以降のこと。アメリカから栽培方法が伝わり、寒さにも強いたまねぎの性質から北海道で作られるようになりました。
・たまねぎの産地と種類
次に、たまねぎの種類と主な産地について見ていきましょう。
【黄たまねぎ】
日本でもっとも多く栽培されている種類のたまねぎで、春蒔きの北海道産と、秋蒔きの府県産に大別されます。保存性が高く刺激的な辛味が特徴です。肥大する期間により、甲高種、扁平種に分類されますが大きな味の違いはありません。
【白たまねぎ】
3月下旬~6月中旬頃まで「新たまねぎ」として出回るのが府県産の白たまねぎです。黄たまねぎと比べて刺激臭や辛味が少なく甘くて水分を豊富に含むため、生で食べるのに向いています。
【赤たまねぎ】
「紫たまねぎ」とも呼ばれる赤紫色のたまねぎで、初夏にかけて出回ります。神奈川県産の「湘南レッド」などが代表的な品種です。辛味や刺激臭は少なく、シャキシャキした歯切れの良さと甘味が特徴で生食に向いています。
【葉たまねぎ】
肥大する途中の小ぶりなたまねぎを葉がやわらかいうちに収穫したものです。葉付きのまま出荷され、葉の部分もねぎのように調理することができます。
【シャロット】
フランス名で「エシャロット」とも呼ばれるたまねぎの仲間です。刻んで料理のにおい消しや香り付けなどに使われます。
■大阪府でも栽培されている!名産「泉州たまねぎ」とは?
「日本のたまねぎ栽培発祥の地」といわれる泉州地方で栽培されているのが、大阪名産の「泉州たまねぎ」です。濃厚な甘味とコク、大玉で瑞々しく厚みのある肉質が特徴で、大阪産まれのブランドたまねぎとして知られています。
辛味が少なく甘味が多いことから、サラダなど生で食べるのに向いていますが、厚く輪切りにしてステーキ風に焼いて食べるのもおすすめの食べ方です。
■たまねぎに含まれている栄養成分とは
たまねぎにはどんな栄養素が含まれているのでしょうか。
・涙を誘発する成分「硫化アリル」
辛味や涙を誘発する成分が硫化アリルです。特有のにおいが交感神経を刺激することにより、脂肪燃焼を促す作用や殺菌作用が期待できるといわれています。また、血液をサラサラにしたり、ビタミンB1と一緒に摂ることで疲労回復効果がアップしたりする効果も期待できるようです。
・色素成分「ケルセチン」
たまねぎの外皮に近い部分に含まれているのが、ポリフェノールの一種であるケルセチンです。抗酸化作用により動脈硬化を予防する効果が期待できます。
・その他の栄養成分
その他にもたまねぎには、ビタミンC、ビタミンB6、葉酸、カリウム、リン、食物繊維などを含んでいます。
■おいしいたまねぎの選び方は?保存方法もチェック
たまねぎの選び方と保存方法についてご説明します。
・たまねぎの選び方
葉側の切り口がしまっているものは、雑菌が侵入しにくく腐りにくいため良いたまねぎといえます。反対に身に隙間のあるものは傷んでいる可能性があるため避けた方が良いでしょう。
また貯蔵しているたまねぎの場合は、ずっしりと身が詰まって皮は乾燥し、萌芽していないものを選ぶのがポイントです。
・たまねぎの正しい保存方法
黄たまねぎなどの貯蔵たまねぎは常温保存が可能ですが、日が当たらない風通しの良い場所で保管しましょう。白たまねぎは水分を多く含んでいるため、購入したらすぐに冷蔵庫で保管します。おいしく食べるためにも1週間以内に食べきるのがおすすめです。
■おいしく栄養を摂取しよう!たまねぎが主役のレシピ3選
たまねぎの栄養をたっぷり摂取でき、食卓の主役にもなるお手軽レシピ3つを紹介します。
・たまねぎの佃煮
たまねぎを繊維に沿って薄切りにします。水で戻した干し椎茸も薄切りにします。鍋に醤油、砂糖、酒、千切りの生姜を加えて火にかけ、たまねぎと干し椎茸を加えましょう。上下を返しながら汁気がなくなるまで煮詰めたらできあがりです。たまねぎの甘味と生姜の辛味がご飯のお供にぴったりですよ!
・新たまねぎのスープ
生で食べることの多い新たまねぎをスープにしてみてはいかがでしょうか。
新たまねぎは繊維に沿って薄切りにしましょう。鍋にバターを入れて火にかけ、たまねぎと塩を加えてしんなりするまで炒めます。水とコンソメスープの素、コショウを加え、蓋をしてたまねぎがやわらかくなるまで煮込んでください。カップに盛り付けて粉チーズをふれば完成です。
・オニオンリングフライ
溶き卵、冷水、小麦粉、塩コショウを加えて混ぜ衣を作ります。たまねぎは8㎜ほどの輪切りにして1枚ずつはがし、小麦粉をまぶしておきましょう。たまねぎを衣にくぐらせ、中温に熱した油でカリッとするまで揚げたら取り出します。マヨネーズとケチャップで作ったオーロラソースを添えてできあがりです。
■まとめ
たまねぎは、他の野菜とは違った栄養成分を含み、健康にも良いとされています。特有のにおいや辛味が苦手だという人もいますが、種類や品種によっては食べやすいものもあり、選び方や調理方法に気を付けるだけでもたまねぎをおいしく食べることが可能です。毎日の食事で食べる機会の多いたまねぎだからこそ、ぜひ調理方法や食べ方を工夫して、栄養を余すことなく摂取していきましょう。
【参考URL】
玉ねぎ栽培の歴史|JAきたみらい
今月の園芸特産作物:5月 たまねぎ|北陸農政局
疲労回復に効果的!柔らかくて甘い新たまねぎ|独立行政法人農畜産業振興機構
もっと知りたい神奈川の農畜水|かなさんの畑
射手矢農園(泉州たまねぎ)|安心堂
大阪府泉佐野市の泉州たまねぎ|Umekiki おいしいをめききする
玉ねぎの佃煮 あっさりしょうが風味|レシピッタ
新玉ねぎスープ|レタスクラブ
オニオンリングフライ|AJINOMOTOPARK