いちごアカデミー現地取材第3弾!~子株・孫株をポットに受ける~
大阪府、河南町、千早赤阪村、JA大阪南では、「公」、「民」、「農」が連携して、いちごをテーマにした新たな地域活性化モデルを構築するため、「南河内いちごの楽園プロジェクト」を展開しています。同プロジェクトでは、南河内いちごのブランド「ちはや姫」(紅ほっぺ)を立ち上げております。また、河南町・千早赤阪村で新たにいちご栽培を始める農業者を育成する「いちごアカデミー」を平成30年2月14日に開講し、第1期受講生6組に対し、週に1回、同地域3か所の圃場にて実地研修を行っています。今回はいちご農家の福永氏が経営する圃場にて行われた実地研修(尾崎さん、西岡さんが参加)の様子を取材しております。
●実地研修(子株・孫株のポット受け作業)
今回の実地研修では親株から伸びたランナー(ほふく茎)の先にできた子株、子株から伸びたランナーの先にできた孫株をポットに受け、定植する前の苗作りを行いました。いちごはランナーを通じて親株から子株・孫株へ栄養を送り、しっかりと自立するまで親株と繋げて育てます。それぞれの子株・孫株が根を張り、成長できるよう培養土をポットに入れ成長させていきます。作業内容について以下にまとめております。
<ポットの土入れ作業>
ポットに培養土を入れ、子株・孫株を受ける準備を行います。福永さんのいちごづくりでは、子株・孫株だけでなく、曾孫、玄孫(やしゃご)、来孫(らいそん)、昆孫(こんそん)とランナーを伸ばしていきます。(※いちご農家の方々は子株を太郎、孫株を二郎、三郎、・・・と呼びます。)
<子株・孫株のポット受け>
ランナーを固定し、子株を培養土を入れたポットに入れ、育てていきます。たくさんのポットを用意し、一つの親株から50~60株に増えますが、1~2割程度は病気にかかったり、生育が悪くなるため、廃棄となります。
このようにポットに植えた子株・孫株は、8月中頃に親株と繋がっているランナーを切り離し、自立させます。その後、11月頃に定植し、1月頃には美味しい実を付けるまでに成長していきます。
(親株・子株・孫株)
(研修風景)
<子株・孫株のポット受けについて説明する地元農家の福永さん(左)と研修生の尾崎さん(右)>
<子株を培養土を入れたポットに固定する西岡さん>
【(参考)ちはや姫の品種<紅ほっぺ>とは・・・】
(紅ほっぺ)
⇒紅ほっぺは静岡県農業試験場(現農林技術研究所)で「章姫(あきひめ)」に「さちのか」を交配して育成された品種で、2002年に品種登録されています。「紅ほっぺ」という名前の由来は、果皮や果肉が美しい紅色をしていること、そしてほっぺが落ちるような食味の良さを表現しているそうです。紅ほっぺは実のサイズが大きく、甘味は強いですが、酸味もやや強いのが特徴です。いちご本来の甘酸っぱさと深い味わいが堪能できる品種です。
(ちはや姫の規格)
⇒南河内いちごの中で作られた紅ほっぺの中でも、以下の規格を満たすいちごが「ちはや姫」と呼ばれます。
・産地:河南町・千早赤阪村で栽培されたいちご
・生産者:(仮)「ちはや姫の里」の会員
・サイズ:平均40グラム以上の大粒
・収穫時期:がくの際まで赤くなった完熟収穫
・収穫時期:出荷当日の販売
・その他:品質について農家が厳選したもの
飲食店関係者様