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馬場さんの農園風景

鍼灸師資格を持ち、現在も週に3回訪問鍼灸の仕事をしながら、枚方市でとうもろこしをメインにして農業に取り組む馬場さん。自分らしい農業スタイルを模索している新規就農2年目の兼業農家にお話を伺いました。

 

プロフィール>馬場さん[訪問鍼灸師 兼 農家]

加古川市出身。整骨院で鍼灸師、スポーツトレーナーとして勤務し、健康に携わる中で食事の重要性を感じたことがきっかけで、農業に興味を持つ。訪問鍼灸師として独立後、農業について各所で学び、2021年に兼業で新規就農を果たす。枚方市穂谷地区で、とうもろこしをメインに営農している。

 

訪問鍼灸でご利用者さんの元へ赴き、明るく笑顔で元気よく施術を行っている。

 

■鍼灸師が農業に興味を持ったきっかけは?

少し傾斜になった土地に手入れされた畑がひろがる枚方市穂谷地区。ほとんどを自作したという作業小屋に迎えてくれた馬場さんは、新規就農2年目の兼業農家です。

 

加古川市ののどかな自然の中で育ち、高校卒業後、鍼灸師として大阪市内の整骨院に勤務していた馬場さん。「スポーツトレーナーとして患者さんの健康に携わる日々の中、睡眠、ストレス、食事が要因でメンタルの不調を訴える人が多いことに気づき、食の分野から健康にアプローチしたいと考えるようになりました」と農業に興味を持つきっかけを話してくれました。

 

■0.1秒で農家をやろうと決定!その後の行動は?

28歳の時に訪問鍼灸師として独立しながらも、週の半分は新たにやりたいことをやろうと考えた馬場さんは、「0.1秒で農家をやろう!と決めました」とチャレンジを決意。求人情報をチェックしたところ、農業の求人はゼロという現実に驚いたと言います。

 

とにかく小さい場所から農業を始めてみようと、貸農園の見学予約をしたことがきっかけで、 JAグループ大阪と大阪府が共同で運営する“新規就農「はじめの一歩」村”の存在を知り、そこで1年間、座学、実地、農薬、販路など、まさに農業のはじめの一歩を学んだ馬場さん。

 

「農業について考え、行動を起こしていく過程で価値観が変わっていきました」と、自分の考えの甘さに気づくこともあったと話します。

◎「はじめの一歩村」⇒ https://www.pref.osaka.lg.jp/nosei/r1nounoseityousangyo/hajimenoippo_r1_.html

 

■自分のやりたいスタイルの農業の見つけ方は?

その後、いろんな農法があることを知り、有機農法で少量多品目栽培する農家や、九条ネギをメインに苗の販売なども手がける京都の農業法人などで修業した馬場さん。農薬や農機具、経営方法、従業員への接し方などを「自分の教科書」として身につけてきました。

 

そして、得た結論は、「何でもあり!絶対外してはいけないのが、自分の二本足で立つこと。農業で大事なことは経営の上にある」ということ。よい品質の作物を約束通りに納品するのがプロの仕事だという信念を持ち、自身の営農に対する具体的なイメージを固めて行きました。

 

「成功している人は戦略を立てている」。複数の大規模農家で仕事をしてみて実感した馬場さんは、品目を絞ってとうもろこしをメインに枝豆やさつまいもを栽培することを決定。より生産性を高め、コストを下げることを追求し、訪問鍼灸師と農家、どちらでも利益を出すことを目指して兼業農家の道のりが始まりました。

 

■新規就農してみて1年目はどうだった?

就農1年目は3月に畑づくりがスタート。夕方暗くなってからも頭にヘッドライトをつけて畑で作業し、台風被害を心配しながら、とうもろこしを育てたと話す馬場さん。秋には穂谷で開催されたコスモスまつりで、収穫したとうもろこしや黒枝豆を販売して大好評でした。今でもイベント時の看板が作業小屋に残されています。

 

自分が育てた作物がイベントで完売した時に農家として達成感を味わったのかと思いきや、そこではなかったそうです。最も達成感を味わったのは、収穫が終わった畑をトラクターで残渣(ざんさ)処理をしながら感じた、「自分で自分の頭をなでてやらないと仕方ないんだ」という想い。このシーンが馬場さんの農家人生の原点になるのではないでしょうか。

 

■2年目の今、2つの仕事のバランスはどんな感じ?

1年目はデータ収集の年と位置付け、「一人っ子のように育てる感じ」と1本1本に愛情を込めて栽培しました。

 

「農業は経験値を積むしかないですが、その経験は年1回しか積めないんです。20年やったら20回の経験。一日一日、無駄にできないと思っています」。

 

とうもろこしは来春から百貨店でも販売を予定しており、徐々に販売を拡大している馬場さん。品目を絞って深めていきながら、自分に合った機械を導入して作業に無駄がないようにと将来的な展望を視野に入れて2年目を過ごしています。

 

現在、兼業農家として農業は週4回、訪問鍼灸は週3回というバランス。「農作業が忙しくても鍼灸の仕事を侵害しないよう、明確に線引きをするようにしています」というのが馬場さんの営農スタイルです。「なかなか思い通りに進まずヘコむことも多いけど、どちらも成長していくのが理想です」。鍼灸施術、農作物、どちらもお客さんからの信頼に応えられるクオリティで提供することに集中しています。

 

■新規就農を考える人たちへのメッセージ

「農業をしたいと相談された時は、好きだけではできない仕事だとあえて厳しいことを言うようにしています。その上で、決して楽ではないけど農業を仕事にすることは可能だと伝えています。

 

農地を借りる環境があれば、まずは小さくてもいいから自分の好きなように畑をやってみること。そうすると、この作業にこんなに時間がかかるといったことがわかります。これは、話を聞いて想像するだけではわからない部分です。

 

農業をしたいけどいきなりは難しい人は、農業法人でのバイトなどでお金を貯えつつ就農に備えることから始めるのがいいと思います。僕自身いろんな人に助けてもらってきたので、新規就農を目指す人がいたらぜひ協力したいと考えています」。

◎JAグループ大阪の求人特設サイトはこちらから:https://wagasyade-saiyo.jp/jaosaka/

 

■兼業農家としてこれからの抱負は?

農業に参入できたことは大きな喜びであり、この先も続けることが大事だと話す馬場さん。

 

「1年目は農業らしいことがまだできていなかったと思っているので、栽培技術をもっとあげて面積も広げて栽培していきたいですね。とうもろこしの成長、収穫がほんとうに楽しみです。農家としても自分の足で立つことができる期待感もふくらんで来ています」と2年目の豊富を語ってくれました。

 

アウトドアが大好きでオフは仲間と海へシュノーケリングにBBQにとアクティブに動き、メリハリのある2足のわらじ生活を送る馬場さん。その兼業農家スタイルは、新規就農を考えるみなさんの選択肢を広げてくれるのではないでしょうか。

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