歴史を背負い、大家族で営む海老芋。
南河内
京都の料亭などで高級料理として提供されている「いもぼう」。その材料である海老芋は、京野菜の代表格であるが、実は大阪府においても、最高級のサトイモとして生産されており、「なにわ特産品」のなかでも特に生産量が少ない貴重品目として位置づけられている。
その海老芋生産の代表が大和川水系の一級河川、石川のほとり、富田林市西板持(にしいたもち)町の「乾農園」で育てられている海老芋だ。
乾農園四代目の乾裕佳さん(42)に、種芋を植え、葉が伸びてきた頃の畑に案内していただいた。
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主な農産物
えびいも
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エリア
南河内
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管区JA
JA大阪南
頭を下げることを知り、仕事に自信とやり甲斐を知る。
泉南
射手矢康之さん
(
いてややすゆき / 長左エ門 十代目、射手矢農園株式会社 )
「小学生の頃、おもたせでタマネギを持たされたが捨てた」
関西国際空港の対岸、泉佐野で27ヘクタール(甲子園球場7個分)の広大な農地を、米→キャベツ→タマネギ→米→キャベツまたはタマネギと、2年間で5作を回す巧みなローテーション栽培で収益をあげる射手矢康之さん(49)。
「大阪農業時報」785号(平成30年2月1日)には、「平成8年(1996)にわずか2ヘクタールの自作地を親から経営移譲を受け、数年後より借地を含めた経営をはじめ、規模を拡大、平成27...
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主な農産物
泉州たまねぎ
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エリア
泉南
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管区JA
JA大阪泉州
ITから農業へ、またの顔は、水なす歴史研究者。
泉南
北野忠清さん
(
きたのただきよ / 北野農園 )
名産水なすの「駅前農業」とは
大阪を代表する野菜といえば何と言っても「泉州水なす」である。
みずみずしくて灰汁が少ない、皮も薄いので浅漬けをはじめ生でも食べられるナスとして全国的に有名だ。「大阪泉州農協」と「いずみの農協」のふたつのJAで、地域団体商標に登録するブランド野菜である。
駅前農業に活路!
大阪を代表する繁華街ミナミ、南海なんば駅から関西空港や和歌山市内へと至る南海本線で約30分の貝塚駅は、ローカル線の水間鉄道との乗り換え...
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主な農産物
泉州水なす
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エリア
泉南
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管区JA
JA大阪泉州
都会の中の里山農業。
北河内
𡌛島五兵衛さん
(
のじまごへい / 農園「杉・五兵衛」 )
第二京阪の枚方学研を降りて北東に車で約5分。農園「杉・五兵衛」は、大阪のベッドタウン枚方市にある。
「おぅ。来たか」
出迎えてくれたのは、島五兵衛さん。当年とって数えで70歳。眼光鋭く、迫力があって、かっこいい。数百年以上、続いてきた農園の園主である。
到着したのはちょうどお昼時。
「うちの農園のことを知ってもらうには、まずは食べてもらわんとな」
築数百年の代官屋敷と京都二条の酒蔵を移築してつくった本館は、農園で採れた旬の農産物が味わえるレストラン...
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主な農産物
いちご
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エリア
北河内
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管区JA
JA北河内
大阪といえばナス、をめざして10種の大阪なすづくり。
南河内
中筋秀樹さん
(
なかすじひでき / ナカスジファーム )
日本一の高さを誇るビルディング「あべのハルカス」がそびえる大阪阿部野橋駅から近鉄南大阪線、長野線を経て約25分で富田林駅。駅から南に少し歩けば「寺内町(じないまち)」だ。江戸時代にタイムスリップできる町並みをすり抜け、南河内地域を南北につらぬく1級河川の石川を渡ったところに「ナカスジファーム」がある。
大賑わいの作業場
ナカスジファーム代表の中筋秀樹(42)さんはご両親と従業員、ベトナムからの研修生8名を含め総勢37人体制という大規模な個人農家を経営している...
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主な農産物
大阪なす
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エリア
南河内
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管区JA
JA大阪南
多彩な、大阪なすPRプロジェクトのリーダー。
南河内
浅岡弘二さん
(
あさおかこうじ / アーバンファームASAOKA )
「アーバンファームASAOKA」の浅岡弘二さん(43)は、南河内の地元をはじめ、農業界で「アサジ」のニックネームを持つ「アニキ的農家」だ。「アサジ」は浅岡の「浅」、弘二の「二」をとったもの。まことに親しみやすい名前だ。
富田林の中心市街地から一級河川「石川」を渡った一大農業地帯、西板持町にアサジさんの農園がある。その中心に位置する板茂神社(いたもじんじゃ)の門前でアサジさんは生まれ、幼い頃から境内で遊んで育った。
地元のだんじり祭りとともに
五穀豊穣を...
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主な農産物
大阪なす
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エリア
南河内
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管区JA
JA大阪南
究極の直売、芝尾さんちのトマト。
泉北
南海なんば駅から世界遺産「高野山」へと向かう参詣鉄道、南海高野線に乗り20分もすれば白鷺駅。1日の乗降者数1万人。政令指定都市の堺市に本拠地を置く大阪府立大学の学生やサラリーマンの姿が多い。
「道の駅」じゃない「自転車の駅」
駅から府立大とは反対方面に10分も歩くと「芝尾農園直売所」がある。ダイキンのエアコン工場と住宅街に四方を取り囲まれた4千平米の農地は堺市北区金岡町のいわばオアシスだ。ここで「芝尾さんちのトマト」が生産直売されている。
ハウス入り口の看板に...
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主な農産物
トマト
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エリア
泉北
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管区JA
JA堺市
通勤農業と24時間営農のアイガモ農法。
北摂
井関俊輔さん・優佑さん
(
いせきしゅんすけ・ゆうすけ / 井関農園 )
大阪池田から丹波篠山の田んぼに毎日1時間半かけて通勤する井関俊輔さん(32)と優祐さん(28)兄弟は、有機栽培アイガモ農法の先駆者として名高い「井関農園」の跡を継いでいる。
農園代表で父の義次さん(62)は、「大阪府『農の匠』の会」の会長を務めたこともある、文字どおり「匠の技」を持つベテラン農業者である。井関農園には10年前、アイガモ農法の視察に行かせていただいて以来の二度目の訪問で懐かしい。アイガモ農法が描かれた作業場の外観も色褪せていなかった。
やるやん!通...
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主な農産物
米
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エリア
北摂
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管区JA
JA大阪北部
広告会社OLから、里山農家へ転身。
南河内
吉田佳世さん
(
よしだかよ / よしだフルーツファーム )
大阪生まれ+高知育ちの佳世さん
「お久しぶりです」河内長野の「よしだフルーツファーム」を訪ねると、なつかしい声。吉田佳世さんと初めて出会ったのは、2007年。大阪府有機農業研究会が主催した有機農業を学ぶ勉強会に、当時OLだった佳世さんが参加していた。
その後の運命的な再会は2009年。農水省の「マルシェ・ジャポンプロジェクト」(大都市の中心部で生産者が直接販売する仮設型の市場を開設する支援事業)の、大阪で採択された運営団体のスタッフとして一緒に仕事をするこ...
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主な農産物
ブルーベリー
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エリア
南河内
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管区JA
JA大阪南