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トップ > お知らせ・ニュース > 働き手がほしい農家と農家の元で働いて学びたい人。JAの無料職業紹介事業がつないだ縁。

お知らせ・ニュース記事

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JA大阪中河内の無料職業紹介事業を利用して新規就農を目指す若者を雇用した松岡さんご夫妻と独立に向けて準備を進める森田さんにお話を聞きました。

 

プロフィール>八尾市 松岡孝明さん

代々続く農家で、八尾若ごぼう、八尾えだまめ、青ネギをメインに生産。雇用を通じて新規就農支援にも積極的に取り組む。

 

プロフィール>八尾市 森田陽哉さん

大学時代に農業に興味を持ち、就職した東京からUターン。独立を目指して働きながら技術と経営を勉強中。

 

■JAの無料職業紹介事業を利用して

江戸時代から続く農家の跡を継ぎ、9か所の農地で八尾市特産の若ごぼうを中心に、ネギ、枝豆、ホウレンソウなどを生産している松岡さん。JAの無料職業紹介事業を利用して雇用した森田さん、繁忙期には有期雇用のパートさん、妻の尚子さんで、栽培、収穫、出荷を行っています。

 

「以前は農繁期に求人情報誌でパートさんを募集していました。JAさんでも求人情報を発信してくれないかと相談したこともありました」と雇用の事情について話す松岡さん。そんな現場の声に応える形で令和1年11月からスタートしたのがJA大阪中河内の無料職業紹介事業です。無料で求人掲載ができ、JAが間に入る安心感から、農業の働き手を求める農家と、農業で収入を得たい、農業を学びたいという人たちから好評を得ています。

 

■雇用する農家として感じる難しさとは?

この無料職業紹介事業を利用して募集をかけた松岡さんが出会ったのは、就農を目指す25歳の森田さんです。

 

若ごぼうの出荷は技術が必要なので、収穫を妻の尚子さんと森田さんが行い、パートさんが形を整えた後、松岡さんが束ねて出荷できる状態にするという役割分担で、効率よく作業を進めていきます。

 

「若ごぼうは9〜10月に種子を蒔いて春先に収穫するんですが、時期をずらして植えても収穫するタイミングはほぼ同じになるので、作業を行う人員の調整などが難しいですね。ハウス栽培も行っていますが、日の照り具合などで変化するため、その都度の対応が必要になってきます」と、天候や成長具合を注意深く見ながら人の段取りをしなければならないという、農業経営には雇用の難しさがあります。

 

■働きながら農業を学ぶ機会を得る

そんな松岡さん夫妻を、「孝明さん」「尚子さん」と呼び、一緒に汗を流す森田さん。「大学時代から漠然と農業をやりたいと考えていました。一度は東京の一般企業に就職したんですが、コロナの影響もあってうまくいきませんでした。大阪に戻ったら友人と一緒に畑をやろうという話になりました」。そして、最初に足を運んで相談したのがJAでした。

 

そこで、JA職員から松岡さんの紹介を受けて応募しました。新規就農支援も行う農家ということで、働きながら農業を学ぶ機会を得ました。

 

■農業1年生、苦労しながら前進中

「元からしんどいものだとわかっていたので、苦にはならないですね。ただ、同じ作業が続くことがちょっとしんどいかな」と話す森田さん。デリケートで扱いが難しく、重さもある若ごぼうが最初に携わった作物で、農業1年生にとっては苦労も多かったようです。今では、感覚的にスケジュールも掴めてきたと進歩を感じている様子。

 

さらに、初期投資費用などの金銭面や、農地賃借など独立して新規就農する際に必要なことも見据えて行動しています。

 

■農業をするなら欠かせない「人とのつながり」

「地域の先輩農家との関係は大切にしています。農家の元で仕事をしていると、○○さんのところで働いている人、ということで近隣の農家さんにも顔が売れて信頼が生まれます。この繋がりが大事だと思っています。」と森田さん。

 

トラブルが起きた時に相談できる先があることの安心感は、新規就農の不安を和らげてくれます。実際の農作業ではネットで調べてもわからない小さい問題がよくでてくるもの。それを誰かに聞いたらわかるということは後々の強みになります。こういった部分も松岡さんの元で就農して良かったと感じられています。

 

「今学んでいることは吸収しつつ、自分の育てたい作物などを考え中です」という森田さん。個人、法人どちらでスタートするかも悩んでいる最中ということですが、地元だからこそ想像しやすい大阪農業に挑戦する意欲は満々です。

 

■技術と経営、どちらも学べる場として

「簡単なことじゃないということをまず知るべきでしょうね。最初は技術的なことを覚えて、そこから経営の部分も学ぶ必要があります。先の見通しを立てて、一人でやるのか家族とやるのか雇用してやるのかなど経営に関する計画を考えることも大切です」。世界基準で見ても日本の農業は厳しいという松岡さん。

 

さらに大阪は他エリアより助成金などの制度の活用が難しいと感じているとのことで、新規就農者には厳しい地域と認識していますが、そんな中でも経営が成り立つ農家を増やしたいというのが願いです。

 

パートの面接では出荷作業に必要な器用さを見極めるよう心がけていると話す尚子さん。雇用する側の農家として、また新しい世代の農家を育てるための支援をするサポーターとして、若ごぼうという伝統野菜を中心とした農業をこれからも進めていく松岡さん夫婦と、それを見て農業の可能性を自ら切り開いていく若手世代の森田さん。都市農業にまた新しい風が吹きそうです。


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松岡さんの過去記事はこちら

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