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ものづくりの醍醐味は、食べて感動してもらうこと。

田中聖大さん

( たなかまさひろ / 田中農園 )

  • 泉北
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  • 大阪みかん
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ものづくりの醍醐味、目に見えない価値

田中農園の要ともいえる堆肥場へ案内された。ちょうど聖大さんの父が、ショベルカーで堆肥の切り返しをされているところだった。父が化学肥料を一切使わず、有機質資材で土づくりを開始したのは、およそ30年前。当初はわらを土に還し、切り返しも手作業で行っていた。

現在は、ポニーのいる幼稚園からもらう馬ふん、もみがら、その他で自家製堆肥をつくっている。こだわりの有機質資材100%だ。詳細をきくと笑顔でかわされたが、そのこだわりの有機質資材によって田中農園の堆肥場は、とてもいい香りに包まれていた。思わず、深呼吸してみたくなるほど。

「切り返しをすることで、微生物が活発に有機物を分解します。分解された有機物は、植物の栄養分となります。植物は栄養分を、細い根から一生懸命、吸収して育ちます。キーワードは、発酵なんです」。ショベルカーから降りてきて、懇切丁寧に教えてくださるお父さん。土づくりへのこだわりと情熱は、半端ではない。

「土づくりに時間やお金をかけることは、ビジネスとして考えると、遠回りかもしれません。でも、顧客と直に顔をあわせて、ここで出来たものを食べてもらうことが私たちのライフワーク。食べものをつくる醍醐味は、食べた人が美味しいと感動してくれること。それはwin-winの関係*であり、そこには目に見えない価値があるんです。土を育てるということは、食べものを育て、人も育てるということ。これから聖大を中心にやっていく食農教育にも、大いに期待しています」。

*win-winの関係とは、相手と自分のどちらにも、メリットが得られる関係のこと。

熱く語る父の横で、うなずきながら微笑む聖大さん。きっとふだんから、こんな会話を何度もしてきたのかもしれない。父から息子へ、土づくりや作物栽培の知恵や技術が継承され、同時に食農教育をとりいれた田中農園の新しい挑戦が、これから始まる。

田中農園を訪れる人が、食べて感動し、学んで感動する。田中農園は、顧客の感動を醍醐味ととらえる。このwin-winの関係は、プライスレスだ。

取材日 2018/12/26

記 事 中塚華奈

写 真 柴田久子

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氏名 / ふりがな
田中聖大 / たなかまさひろ
生年
1990年生まれ(28歳)
農家歴
6年(2012年より就業)
前職 / 出身校
和歌山大学教育学部
組織名
田中農園
従業員
本人+祖父母+両親+弟さん(時々)
主な生産作物
温州みかん、タマネギ、ズッキーニ、トマトのほか季節の旬の野菜100品目以上
耕地面積
畑1ha+里山
特徴
有機肥料100%の持続可能なまごころ栽培
理念
まごころと丹精こめた農産物をお届けします
JAエリア
JAいずみの
購入方法
葉菜の森 : http://hananomori-osaka.com/
<飲食店> CUCINA IGUSA(クッチーナイグサ) / イタリアン : https://igusa-hatsugano.com

田中農園

大阪府和泉市平井町

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