好きだった農業で、地域貢献
取材中に、ミニトマトを収穫させていただいた。「赤はできるだけえんじ色に近いものを、黄色はできるだけオレンジ色に近いものを選ぶと美味しいですよ」とアドバイスしてもらい、選りすぐりの一粒を口にいれてみた。うわー、めちゃくちゃ甘くて美味しい。
「これは、甘っこ(あまっこ)という品種です。そもそも、美味しい品種を選んでいるので当然なんですけど、美味しいと言ってもらえるのは嬉しいですね」。畑の横を通りすぎる学校帰りの小学生たちに、俊一さんが声をかけた。「トマト食べるかぁ」。嬉しそうにかけよってくる子どもたち。「ありがとぉ。ばいばぃ」。
なんとも親しげである。聞けば、お孫さんだった。とはいえ、お孫さん以外の子どもたちも俊一さんになついているのは、普段から学校農園の先生として交流があるからだ。「もともと土をさわること、農業が好きだったんです。若かったら農業の法人化も目指したかもしれませんが、今のカタチも気に入っています」。
日本中から美味しいサツマイモを取り寄せて販売している焼き芋屋さんが、俊一さんのサツマイモの美味しさにお墨付きをくれたこともあるという。
料理は野菜から作る、子どもに農の場を作る
「シェフになりたい」という若い頃の夢を実現し、美味しい食材を追求した結果、農産物は自分の畑でつくったものを使おうというレストラン経営に至った俊一さん。引退した今は、自家用の米や野菜をつくり、余剰分は直売所へ。日常のごはんは奥様におまかせで、おせち料理とお盆の時には腕をふるう。田畑の一部は、学校農園や農業に興味がある友人、知人に提供している。
両親から引き継いだ農地を活かして、かつてはフレンチレストランで美味しい食事を提供した。現在は直売所での農産物販売や農業体験の場を提供する。モノとコトの両方を提供することで、地域貢献に一役かっている。
取材日 2019/6/25
記 事 中塚華奈
写 真 柴田久子
- 氏名 / ふりがな
- 西畑俊一 / にしはたとしかず
- 生年
- 1953年生まれ
- 農家歴
- 45年
- 前職 / 出身校
- シェフ(フレンチ)/ 日本調理師学校
- 組織名
- 個人経営
- 従業員
- ご本人
- 主な生産作物
- 旬の野菜(トマト、ミニトマト、ウコン、黒豆、サツマイモ、オクラ、レモングラスなど)、お米
- 正式な品種名
- お米はヒノヒカリ
- 耕地面積
- 畑20アール、田んぼ25アール
- 特徴
- 季節野菜を露地で栽培。学校農園の受け入れ。
- 理念
- 美味しい旬の農産物をつくって地域貢献
- JAエリア
- JA茨木市
- 購入方法
-
JA茨木市農産物直売所みしま館 : https://life.ja-group.jp/farm/market/detail?id=114
ほか、レストラン、ケーキ屋、焼き芋屋
個人経営
大阪府茨木市太田