健康な牛と美味しい野菜の関係
牛舎の横には堆肥場と牛ふんの乾燥施設が併設されている。ふん尿は、自家製のもみがらと一緒に混ぜ、発酵堆肥にして畑に還元。堆肥は、土壌微生物のエサとなり、畑の土を肥やしてくれる。
牛舎の横にあるレタス畑へ案内された。「僕はレタスが嫌いだったんです。でも、うちの畑で育ったレタスは食べられるんですよ。まぁ食べてみて」とレタスをちぎる芳孝さん。
みずみずしく、噛むとシャキシャキ感が際立ち、その後ほんのり甘さが広がる。これはおいしい! もっと食べたいと思える味だった。おすすめの食べ方は、「レタスのしゃぶしゃぶ」だそう。近所の直売所では、冬場になると北尻さんのレタスコーナーが設置されるほどの人気商品である。
「草食動物である牛の主食は粗飼料であり、濃厚飼料はおかず。同じように野菜にとっての主食は堆肥であり、化学肥料はおかず。主食もおかずもどちらも大切な毎日のエネルギー源です。牛も野菜も同じ生き物。主食やおかずをバランスよくあげて、健康に育つ環境を整えてあげることが大切なんです」
生産量を追わず、収穫を急がず。効率主義に走らない、芳孝さんと寛光さんの「生き物への愛情」と「農業への熱い想い」に感動。都市農業の自然循環機能の実践モデルがここにあった。
取材日 2018/11/1
記 事 中塚華奈
写 真 柴田久子
- 氏名 / ふりがな
- 北尻芳孝さん・寛光 / きたじりよしたか・ひろみつ
- 生年
- 芳孝さん 1953年生まれ(65歳) / 寛光さん 1986年生まれ(32歳)
- 農家歴
- 卒業後より就業
- 前職 / 出身校
- 芳孝さん 大阪府農業大学校 / 寛光さん 酪農学園大学
- 組織名
- 北尻牧場
- 従業員
- 家族3人(芳孝さん、芳孝さんの奥さまの明美さん、寛光さん)
- 主な生産作物
- 生乳、米、レタス、トウモロコシ、キャベツ
- 正式な品種名
- ヒノヒカリ(米)
- 耕地面積
- 水田3ha、畑55a
- 特徴
- 酪農+米+野菜の有畜複合農業、米づくりの受託
- 理念
- 美味しくて高品質な牛乳は健康な牛から! 耕作は土づくりから!
- JAエリア
- JA堺市
- 購入方法
-
コスモス館 : http://www.pref.osaka.lg.jp/nosei/asaiti/snb-cosmos.html
葉菜の森 : http://hananomori-osaka.com/
ハーベストの丘 : https://farm.or.jp/
北尻牧場
大阪府堺市南区富蔵176-1