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野菜で世界を愉快にしたい農家。

植田歩さん

( うえだあゆむ / べじたぶるぱーく )

  • 北摂
  • JA大阪北部
  • トマト
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自分たちが食べたいものを手づくりする植田家

自然豊かな能勢町下田尻で農園「べじたぶるぱーく」を営む植田歩さん(35)を訪ねた。奥さまの絵美さんとともに、多種の野菜、お米、栗、ハーブを栽培し、それらを使った加工品もつくっている。 待ち合わせしたご自宅の玄関では、土用干し中の真っ赤な梅がずらり。植田家の味噌や梅干し、醤油、みりんなどは、仕事の合間に絵美さんが手づくりを続けてきた。野菜や加工品の販売を始めた時は、自家用のものをお裾分けするような感覚だったという。

「家庭菜園をしたい」がきっかけ

奈良県出身の歩さんが能勢町で新規就農したのは2013年、今から約6年前だ。ジャンクフードが大好きなごく普通の青年で、セレクトショップの副店長や宅急便のドライバーをしていた。「当時、身近な人がココロの問題に直面していて、食べものの持つ力に興味が湧きました。そこから、便利さや安さで選ぶのではなく、安全で美味しいものを食べたいと思うようになりました」と語る歩さん。家庭菜園がしてみたいと思い、野菜づくりを習いに能勢の農家を訪れるようになった。農家での研修を受ける中で、片手間の家庭菜園で野菜を育てることの難しさを実感。「それなら農業を」と思い立ち、豊かな自然に魅了され、25歳の時に能勢に移住。農園「べじたぶるぱーく」を立ち上げた。

旬のものを一番美味しい時期に

「べじたぶるぱーく」では、年間に約60種類の野菜を栽培している。いざ、トマトのハウスへ。完熟の真っ赤なミニトマトは、そっと触れただけでポロポロとこぼれ落ちてきた。甘みと旨味が口いっぱいに広がる。そういえば、歩さんのミニトマトにはヘタがついていない。思わず「ヘタがない状態で出荷されているんですか?」とお聞きすると、反対に聞かれた。「ミニトマトって、ヘタ、必要ですか?」と。「完熟のものを収穫するので、お客さまには『急いで食べないといけないトマト』と称してお届けします。自然に左右されることにまつわる言い訳は多いかもしれません(笑)」。

野菜といっしょに「発見」や「感動」もお届け

歩さんと絵美さんが農業をするにあたり、心がけていることは次の3つ。
1.自分たちが食べたいものをつくること。
2.直接届けること。
3.発見や感動を伝えること。べじたぶるぱーくの「わくわく野菜定期便」は、週に1回、採れたての野菜(約5種類)を、歩さんが緑色の車で直接、配達してくれる。現在の配送先は配送エリア毎に火曜日と金曜日、約40件ずつ。「配達に行って、食べてくれる人と直接会話できることが楽しい」という歩さん。前職のキャリアもあり、運転の腕前はプロ並みだ。年間60品目もの農業生産をして、荷造りをして、配達までこなすのは、大変そうに思える。しかし、歩さんは笑いながら言う。 「同じ作業だけをするよりも、いろいろな仕事ができるほうが楽しいです。作物も1種類に絞るなんてできません。季節に応じた作物を育て、育てた人が届ける。農業の面白さも自然の厳しさも、地元の方には当たり前のことでも、よそから移住してきた僕たちならではの視点があります。ただ届けるのではなく、能勢の風景や雰囲気、いろいろな発見や感動をいっしょに伝えたいと思っています」。
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